語句一覧

■逃げ地図……避難地形時間地図

防災リスクコミュニケーションの道具。 避難場所から道に色をぬることで、「1番近い避難場所まで、何分で逃げら れるかがわかる」地図になる。それによって、より安全な避難を考えたり、 話し合うことが出来る道具。

■リスクコミュニケーション

地域の危険やその危険をなくしていくにはどうすればいいか話し合うこと

■防災マップ(ハザードマップ)

地域の危険を示すマップで自然災害ごとに予想される情報が記されてい るマップ

■災害

地震・大雨などの自然に起きる現象によって、人や生活に被害が生 じること

■避難

災害などからさけるために、安全な場所に移動すること

■防災

災害を起こる前に、あるいは直接防ぐ行為、取り組みなどのこと。

■土砂災害

主に地震や大雨による土石流、地すべり、斜面崩壊の 3 つがある。

・土石流

大雨によって土砂が水と混合して河川、渓 流等を流下する現象。山津波とも言う。

・地すべり

土地の一部が地下水等に起因してすべる現 象又はこれに伴って移動する現象」と定義 されている。(地すべり等防止法 2 条 1 項)

・しゃ面崩壊(土砂崩れ)

斜面の上の土砂や岩の塊が崩れ落ちる現象。 がけ崩れ(急傾斜地崩壊)、山崩れに分けら れる。がけ崩れは、人が切り開いた急な傾 斜面やがけから土砂が崩れ落ちる現象であ る。山崩れは山地や丘りょうなどで、しゃ 面の上部の地肌や岩石が崩れ落ちる現象で ある。

準備編:環境設定・準備物

■活動の選択

例えば、「第1章:考えるテーマをえらぶ」や「第2章:危険なはん囲をかこむ」を飛ばして、テーマや避難場所は先生方が決定してしまうなど、授業の目的に応じて活用することができます。

■地図の範囲

学習内容によりますが、以下の2通りで行うことをオススメしています。

①地域ごと(校区が広い範囲の場合)

②学校の周辺

■班の人数

オススメ:2〜6にんまで

※上限はありませんが、あまり多いと話をすることが難しくなります。

■補助教材一覧

資料のページからダウンロードできます。

■何が必要?ー必要な道具一覧ー

①大きな地図(A1サイズが好ましい)

市役所や町役場で発行できます。大きな地図は役所では都市計画課などで、 1/2500の白図が頒布されています。またゼンリンの住宅地図をコピーして貼 り合わせることでもよいです。その他インターネットのグーグルマップ等地 図情報を探るとよいでしょう。しかし大きな紙に印刷できない場合は、役所 の担当と協働の企画にして地図作業を準備してもらうか、建築や測量の事務 所に相談されると良いでしょう。

②ヒモ(1 人 1 本)

・革ひもなど、曲がりやすいものが良い

・縮尺に合わせて、長さが変わります。 (縮尺 1/2500 の場合は、5.16cm)

③丸シール(青)

④色えんぴつ (1 人 1 セット )

⑤色マジック・マーカー(裏写りしない)(1 班1セット)

⑥ふせん(地図に貼った時に、大きすぎないもの)

準備編:先生方へ(活動設定)

■対象は?

小学校高学年以上を想定しています。

■どんなときに使える?

・防災教育を数時間で、単発で行いたいとき

・家庭や地域と協働で行いたいとき

・防災教育のカリキュラムを行いたいとき

■学びを深めるために

地域や役場と連携しながら活動を展開することで、多様な情報を得なが ら、多くの活動を行うことが出来ます。また、準備も円滑になります。

■逃げ地図自体の価値

逃げ地図の地図自体は価値あるものですが、あくまでも地図を作り上げる過程が重要です。作成する際の条件(避難場所や危険な場所)を変えると、また別の逃げ地図が出来上がります。あくまでも作成過程に焦点置いた活動の展開を心掛けてください。

■活動時間数

活動例ですので、活動に合わせて利用してください。

準備編:全活動の流れ

■全活動の流れ

逃げ地図は、大きく3つのパートにわかれます。

・災害のテーマを決める

第1章:考えるテーマをえらぶ[やってみよう]

・地図を作る:4ステップ

第2章:危険なはん囲をかこむ[やってみよう]

第3章:避難場所を決める[やってみよう]

第4章:危険な場所にしるし[やってみよう]

第5章:道にいろをぬる[やってみよう]

・これからできることを考える。

第6章:ふり返りをする[やってみよう]

第7章:発表会をして話し合う[やってみよう]

第1章:考えるテーマをえらぶ[+逃げ活]

■活動のポイント

まちのことは、学校の先生だけではなく、家の人や地域の人も たくさん知っています。学校の先生の授業を聞きながら、いろい ろな人に1どんな災害が起こりそうか2どんな防災対策をしてい るか聞いてみましょう。

■道具

・まちが発行している防災マップ

・昔の新聞など災害時のことがわかる資料

■+逃げ活

・+災害とは何か考える(10分)

津波や土砂災害という言葉をよく聞く と思いますが、どういうことを表してい るのか考えてみよう。

・+専門家の話を聞く(授業1コマ)

まちの専門の職員や専門家の人の話 を聞いて、まちではどんな災害が起こ りそうか聞いてみよう。

・+予想してみよう(30分)

この地域でどのような自然災害が起 きるか、過去の災害や最近日本で起き ている災害から予想してみよう。もし、 災害が起きたら、まちはどのようにな るか考えてみよう。

・+動画をみる(授業1コマ)

過去の災害時の映像などを見て、何 が生死を分けていたのか考えてみよ う。

第1章:考えるテーマをえらぶ[やってみよう]

■やってみよう

・自分の地域で起こりそうな災害を考え、1つえらぼう。

①津波災害

大地震で起こる津波の場合を考えます。高い場所に何分で行くことができるかを考えます。

②土砂災害

大雨や地震で起こる土砂災害の場合を考えます。危険を感じて避難場所に行くまでの時間を考えます。

※土砂災害は、土石流、地すべり、がけ崩れ(急傾斜地崩壊)のことを指します。詳しくはこちら↓

③複合災害

大雨で地盤がゆるんでいるところに大地震で起こる津波の場合を考えます。

高く、より安全そうな場所に逃げることを考えます。

第2章:危険なはん囲をかこむ[やってみよう]

■やってみよう

1:防災マップ(ハザードマップ)などをみて、マジックで危険なはん囲を囲もう。

※かこみ方

危険なはん囲で書き写すものは、1 で決めたテーマに 関連するものを書き写そう。

2:書き写したはん囲を見て、どこに逃げればよいか考え てみよう。

話すポイント!

・危険なはん囲になっているところの特ちょう

例:山の近くに囲まれている場所、海に近い、

 

第2章:危険なはん囲をかこむ[+逃げ活]

■活動のポイント

津波を考える場合、だんかい的に避難する ことが言われています。 まずは、一時避難場所(とりあえず避難でき る場所)に集まります。そこからさらに高い ところに逃げます。

■道具

・まちが発行している防災マップ等の資料

・ふせん

・えんぴつ

・マジックかマーカー(うら写りしない)

■+逃げ活

・+自分の行動はん囲(10分)

学校、遊び、習い事、お買い物など、 よく利用するはん囲を考えて、えんぴ つなどで囲ってみよう。

・+地名から考える(授業1コマ)

地域の名前には、昔の人が特別な 意味をこめてつけたものがあります。 自分のまちの地名について考えてみ よう。

・避難場所を考えなおす(15分)

はん囲を書くと、危険な場所に避難 場所があることが…!話し合いをし て、はたして使えるかどうか決めよ う。使えない場合 ⇢地図の青シールに×

・+過去の避難から学ぶ(30分)

1で聞いたように、家や地域の人 にインタビューし、地域の危なそう なことと、それが起こりそうな場所 を調べ、地図に書き込もう。 ■例【昔】: ここのしゃ面が崩れたぞ

第3章:避難場所を決める[やってみよう]

■やってみよう

クイズ:「避難場所」と「避難所」の違いを考えよう。

答え:避難場所とは緊急避難場所のことで、災害の時に身の安全 のために避難する場所。避難所とは災害で住む場所を失った人の 一時的な生活場所になりうる場所。

①「今の自分だったらここに逃げると思う。」という場所に◯をし、横に小さく自分の名前を書こう。

②避難場所を【えらび方】の中からえらび、その場所に 青シールをはろう。

■えらび方

  • A. まちで決められている場所にする
  • B. 危険な範囲でない、自分たちが安全と思う場所にする
  • C.A と B の中から、良さそうな場所を選ぶ

■話すポイント!

・津波や土砂災害のおそれがないか

・学校が危険な範囲にある場合は避難場所としてどうか

第3章:避難場所を決める[+逃げ活]

■活動のポイント

この逃げ地図づくり活動では、避難場所が重要な要素になりま す。しっかりとみんなで話し合う中で決めましょう。

■道具

・まちが発行している防災マップ等の資料

・ふせん

・えんぴつ

・青シール

■+逃げ活

・+地図を見てみよう(10分)

学校をみつけ、好きな印をつけよう

自分の家を見つけて、自分の家の上に えんぴつで名前を書こう。

・+避難所には何が必要?(授業1コマ)

少しの間、避難所で生活しなければ ならない。そこで何を避難所に用意し ておくべきか考えよう。まちの資料な どを見て、どのようなものが置いてあ るか確認してみよう。

・+比べてみよう(5分)

自分で逃げられると決めた場所と、 まちで決められた場所とを比べよう。 比べた後で、どのような場所が逃げる 場所によい場所か、考えてみよう。

。+避難所運営ゲーム(授業1コマ)

HUG ※等を利用し避難所での生活 を考えてみよう。

※避難所 HUG とは…H(hinanzyo 避難所)、U(unei 運営)、G(game ゲーム)の頭文字を取ったもので、 英語で「抱きしめる」という意味があり、やさしく避難所に迎えることができるように練習するゲーム。