(1)基本的なプログラム

・逃げ地図づくりワークショップの基本的なプログラムは、次の1~5で ある。このうち、2~4は複数の班に分かれてグループワークを行う。

①ガイダンス

・ 逃げ地図づくりの目的とテーマ、逃げ地図の作成方法などについて簡潔 に説明する。

・逃げ地図の作成方法の理解を促すため、事例や動画を見せると良い。

② 逃げ地図づくり(参考:第 1 章)
( 避難目標地点と避難障害地点の確認)

・用意した地図とハザードマップをよく見ながら、避難目標地点に●印、 避難障害地点に×をつける。

・色塗りと意見交換の時間を確保するために、事前に避難目標地点の候補 を鉛筆などでチェックしておくと良い。

(避難時間と避難方向の図示)

・避難目標地点から逆算して3分ごとに色分けする。

・色分けした地図に、避難目標地点に最も早く到達できる方向の矢印(→) を入れる。

③逃げ地図を見て意見交換 ・作成した逃げ地図を見て気がついたことなどを意見交換する。 ・出された意見は、用意したポストイットにメモ書きして、逃げ地図に貼る。

・あらかじめ意見を出しやすいように、問いを用意しておくと良い。例え ば、避難に時間がかかる場所や避難しにくい場所はどこか。災害時要援 護者の避難誘導や避難階段整備などの課題は何かなど。

④ 成果の発表

・作成した逃げ地図を展示して、得られた成果を発表し合う。

・設定条件の異なる逃げ地図を作成した場合は、色分けの違いなどを比較 するとよい。

(2)ワークショップの総時間と時間配分

・逃げ地図を作成する時間は、被災区域の面積や道路の密度に応じて異な るが、これまで各地で行ってきたワークショップを振り返ると、避難目 標地点の設定から避難方向の図示までの逃げ地図作成に概ね1時間程度 はかかる。

・ガイダンスに 20 分、発表会に 20 分、逃げ地図をもとにした話し合い 20 分をかけるとすると、逃げ地図づくりワークショップは全体で最低2 時間必要である。

(3)事前の逃げ地図の作成

・プログラムの内容や時間配分を点検するため、事前に逃げ地図を作成し てみることが望ましい。

・特に、津波以外の災害や複合災害からの逃げ地図づくりは、判断に迷う ケースもあるため、事前に作成してみることが重要である。