(2) 現場での点検結果の記録

・ 現場での点検結果は、その状況を写真撮影するとともに、その場所を地 図上に記し、気がついた点を記述して記録化しておくことが望ましい。

・ 一般に、まち歩きワークショップの実施後には、用意した地図に気がつ いた点を記載し、ワークショップ参加者の間で共有する。現場点検を実 施したら、気がついた点を作成した逃げ地図に上書きして情報を共有す ることが望ましい。

・「聞き書きマップ」は、身近な地域の安全点検を支援するために開発さ れたパソコン用の地図づくりソフトである。GPS 受信機と IC レコーダー とデジタルカメラを持って歩けば、歩いた経路と撮影場所が自動的に記 録され、写真を選べば録音した時刻を簡単に検索することが可能である。

(1) 逃げ地図の展示

・ 作成した逃げ地図は、逃げ地図WSの参加者で共有するだけでなく、学 校や集会所等の公共施設等に展示して、地域コミュニティの構成員に対 し幅広く周知することが望ましい。

・ 展示する逃げ地図は、逃げ地図WSで作成された手書きの成果を展示す るだけでも効果的であるが、書かれた内容を的確に伝えるには、その目 的を留意しつつ、書き直すことが望ましい。

(2) 逃げ地図の配布

・ 作成した逃げ地図から見出された課題やポイントに着目して書き直し (リライト)、コンパクトにまとめる。

・WS 中に出たコメント(ポストイット)を、その内容ごとに以下の5つ に分類して整理すると分りやすい。内容ごとに色分けするのも良い。

1地区の概要(茶色) 2震災時等の記録(緑) 3計画事業等(青) 復興事業・防災計画等 4避難時のポイント(黒) 5検討課題(赤)

(3) 逃げ地図のリライト

手描きの逃げ地図をパソコンを使って編集しておくと、印刷をしたり情報 を共有するときに便利である。ここでは、Illustrator、Photoshop を使っ た逃げ地図のリライトの方法を示す。

1 WS 直後

・ワークショップで作った逃げ地図の写真を撮る。コメントの書いてある ポストイットが貼ってあるものと、ポストイットを外したもの両方を撮 影する。撮影後はポストイットを貼り直す。

・撮影したデータは Photoshop 等を使い、トリミングや歪みの修正をし ておく。

2 色塗りのデータ化

・WS 前につくったベースマップをもとにつくる。

・ベースマップのイラレデータで、新しいレイヤーをつくり、ワークショッ プの逃げ地図画像(ポストイットなし)を取り込む。

・画像のサイズを調整し、ベースマップに合わせる。

・画像の透明度を調整し、ベースマップが見えるようにする。

・色塗り用レイヤーをつくる。

・ペンツールで画像に合わせて道に色を塗る。

緑:C 100% , M 0% , Y 100% , K 0% ,

黄緑:C 50% , M 0% , Y 100% , K 0%

黄色:C 0% , M 0% , Y 100% , K 0% ,

橙:C 0% , M 50% , Y 100% , K 0%

赤:C 0% , M 100% , Y 100% , K 0% ,

紫:C 50% , M 100% , Y 0% , K 0%

茶色:C 500% , M 100% , Y 100% , K 50% ,

黒:C 100% , M 100% , Y 100% ,K 100%

・その他避難場所(◯,◎)、避難目標ポイント(●)、避難方向(→)もマッ ピングする。

3コメントの分類と記入

・WS 中に出たコメント(ポストイット)を、その内容ごとに以下の5つ に分類する。

1地区の概要(茶色) 2震災時等の記録(緑) 3計画事業等(青) 復興事業・防災計画等 4避難時のポイント(黒) 5検討課題(赤)

・分類した意見は、上記の色の文字で地図に載せる。右の図のように、透明度 30%ほどの白塗りの四角を背景にする と見やすい。

・ 場所が限定されている意見は、関連する場 所(ポストイットが貼ってあった場所)に載 せ、その地区全体に関する意見はまとめて載 せる。

4レイアウト

・タイトル(○○市○○町逃げ地図 等)

・ワークショップ開催日、地図作成日、主催・ 共催・後援・協力者等

・縮尺、方位、逃げ地図のカラーバー

・凡例(緊急避難場所、避難目標地点、避難方向、高台、海面・水面、コメ ント色分け 等)

以上を地図に載せ、レイアウトを整える。