(1) 想定する災害の種類

【地震】建物倒壊や津波のほか、土砂災害や地震火災も想定される。

【大雨】がけ崩れや土石流、洪水等の水害が想定される。

【複合災害】地震に伴う津波とがけ崩れ、大雨に伴う土石流と洪水など、 災害が誘発し合うことが想定される。

(参考事例) 静岡県の下田市や河津町では、地震に伴う津波からの逃げ地図だけでなく、津 波とがけ崩れの複合災害を想定した逃げ地図も作成した。

(2) ハザードマップの入手方法

・各都道府県では、想定される災害の種別にハザードマップを作成して、 関連するウエブサイトで情報公開している。

・市町村によっては、避難場所などを記した防災マップなどに浸水想定区 域などが記されている場合がある。市町村の防災担当課に問い合わせるとよい。

(3) 作成範囲の設定方法

・災害は自宅付近にいる時だけでなく、買い物などで外出している時に発 生する場合があるし、活動地域外に避難した方が安全な場合もあること から、逃げ地図の作成範囲は少し広めに設定することが望ましい。

・津波および洪水からの逃げ地図の作成範囲の設定にあたっては、谷地や 流域などの地形的なまとまりに留意する必要がある。

(1)地図の準備

色を塗るための白地図を用意する。縮尺は 1/2,500 または 1/2,000 が望 ましい。地図を入手したら、不足している情報があれば追加する。

  • 津波…道路・海・川・橋・街区・建物・その他(鉄道など避難の障害に なるもの)浸水範囲・緊急避難場所・津波避難ビル・指定避難所 など
  • 土砂災害…道路・川・等高線・街区・建物・その他(鉄道など避難の障 害になるもの) 土砂災害警戒区域・緊急避難場所・鉄筋コンクリート 造の公共施設等 など
  • 洪水…道路・川・橋・街区・建物・その他(鉄道など避難の障害になるもの) 浸水想定区域・避難場所 など

参考:鎌倉市と陸前高田市と下田市で作成した逃げ地図のベースマップの大きさ

(2)地図の入手1:市区町村の地図を使う場合

・市区町村で白地図が手に入る場合がある。白地図は見慣れない人にはわ かりにくいので、川や主要な建物など目印になるものに色を塗っておい たほうがよい。

・もっとも簡易な方法としては、ハザードマップを拡大コピーして使うこ ともできる。コピーの際に縮尺がわからなくならないように留意する。

(3)地図の入手2:ゼンリン地図を使う場合

・ゼンリンの地図を複写・印刷・出力などの複製(コピー)して利用する 場合は、利用申請書を提出し、許諾を得る必要がある。

・利用申請書には、複製する範囲、複製成果の配布目的・配布手段、配布先、 利用期間、複製作業方法、複製作業機関等を示す。

・利用許諾を得たら、使用目的、使用環境、使用機器等の使用条件、使用 期間、申込責任者等が書かれた「要綱」および「約款」記載事項を遵守 することを示した「ソフトウエア借用書」をゼンリンに提出する。

・複製した地図等の成果物の周辺に、ゼンリン指定による著作権と許諾番 号を表示する必要がある。

・使用後は速やかに、借用した元地図のデータを破棄・消去した証明書を ゼンリンに提出する。

(4)地図の入手3:国土地理院の基盤地図情報を使う場合

無料で誰でも利用することができる。CAD または Illustrator がある場 合はダウンロードして逃げ地図作成用の白地図に使用できる。

(ダウンロードの方法)

基盤地図情報ダウンロードサービスで 新規登録してログインする。

・ダウンロードファイル形式選択で「基盤地図情報基本項目 JPGIS(GML) 形式」を選択する。

・地域・基盤地図情報の選択で、「地図から選択」・「リストから選択」を選ぶ。 ※必要な情報にチェックを入れる。

・地図で必要な範囲を選択して選択完了

・ダウンロードファイルリストで「全てチェック」「まとめてダウンロード」 「PackDLMap.zip」が保存される。

※ダウンロードした地図データを利用した場合は、申告をすること。

(1) 用意する革ひも

・避難経路を3分ごとに色分けするために、その物差しとしてヒモを用意 する。

・ヒモは、太さ 1.5 ~ 2mm の革ひもが適している。革ひもは、手芸店若 しくはネット通販で購入できる。(100 ~ 200 円 / m程度)

・ひもの長さは、3 分間の移動距離分(129m)を測るため、作成する逃 げ地図の縮尺に応じて切りとる。

・ひもは、作業する人数分を用意する。逃げ地図 1 枚を書き上げる作業は、 経験上4~5人で行われている。

・革ひもの色は、白黒の地図上で作業する際に目立つように、白黒以外の 色にする。

 

(2) 用意する色鉛筆

・色鉛筆は、緑・黄緑・黄・オレンジ・赤・紫・茶・黒の 8 色を用意する。 ・市販の色鉛筆 12 本セットを買うと、上記 8 色は全てそろう。

・色鉛筆は、作業人数分を用意することが望ましい。逃げ地図 1 枚を書き 上げる作業は、経験上4~5人で行われている。

・緑・黄緑の消耗が激しく、青・黒はほとんど使われない。