(2) 想定する災害に応じて避難障害地点を設定する

【津波】河川や水路に沿って遡上し、河川堤防を越流して浸水するおそれ があることから、橋梁を渡らず避難することが望ましいとされている。 そのため、逃げ地図作成ワークショップでは、橋梁を一律、津波避難障 害地点としているケースが多い。

【土砂災害】可及速やかに土砂災害警戒区域の外に避難する必要があるこ とから、避難勧告時以降は、警戒区域外から横断して通行しないように、 土砂災害警戒区域の道路を通行禁止とするケースがある。

【地震】老朽家屋や老朽ブロック塀等の倒壊のおそれのある狭隘道路等を 避難障害地点として設定する。

【大雨】排水が悪く水没する道路や、渡るのが危険な橋を通行禁止とする ケースがある。

【津波 + 土砂災害】津波からの避難目標地点のうち、土砂災害危険警戒区 域や急傾斜地崩壊危険区域等に指定されている区域の避難目標地点を除 いて、逃げ地図を作成する。

避難障害地点の設定例

■ワークショップを行う地域内で、避難の障害となる要素があるか、参加 者間で話し合う。障害となる要素には下記のものが想定される。

・橋(暗渠含む)

・土砂災害警戒区域(イエローゾーン、レッドゾーン)

・急こう配の道路

・火災危険区域

・洪水危険区域

■避難障害地点または避難障害区域を白地図に書き写す。避難障害地点に は×印をつけ、土砂災害警戒区域等の面的な避難障害区域はその境界線 を記す。

■書き写した障害に対して、通行禁止等の条件を参加者間で話し合う。遅 延の条件例としては下記の通り。

・橋(暗渠含む):通行禁止等

・土砂災害警戒区域(イエローゾーン、レッドゾーン):警戒区域外から の通行禁止

・急こう配の道路:避難の歩行速度を遅くする。

・火災危険区域:危険区域外からの通行禁止

・洪水危険区域:危険区域外からの通行禁止